城東4区の北西にある墨田区・その1。新たな観光名所に恵まれている区。

 城東4区のうち、前回とその前の回では、江東区について見てみました。
今回は、墨田区について詳しく取りあげます。

 4区のなかでは北西に位置していますので、江東区よりは東京駅から遠い位置にあります。しかし、1960年代の高度経済成長期に池袋、新宿、渋谷などが新たな都心としての地位を確立するより以前の、浅草が東京のなかにおいて相対的な求心力が高かった時代には、浅草や上野に近いことによる地の利もそれなりにあったと思われます。

 区内にある名所として、両国国技館東京スカイツリーが挙げられます。
後者は、港区にある東京タワーにかわる電波塔として、つい数年前にできたばかりですから言わずもがなですね。
しかしながら前者の両国国技館も、以前は隅田川をはさんで東に位置する、蔵前(台東区)にあった蔵前国技館が1980年代のはじめに移転してできたものです。
新たにできる観光名所に、なにかと恵まれた区であるといえます。

 墨田区の西側の区界は荒川と旧中川、東側は隅田川です。
南側の、江東区との境界が複雑にいり組んでいることは、前々回に紹介したとおりです。

 面積は、14平方キロメートル弱。城東4区のなかでは最も小さい面積です。南どなりの江東区(ほぼ40平方キロメートル)の3分の1強、最も大きい江戸川区(50平方キロメートル弱)の3分の1にも満ちません。
しかも両区のように海に接してはいませんから、区域がさらに拡大する可能性もないと考えていいでしょう。

 もっとも、23区のうちのおよそ半数にあたる11の区は、面積が20平方キロメートル未満です。また、それらのほとんどが東京の中心部にある区ですから、墨田区が特別に広い面積を有しない区というわけではありません。